The HIRO Says

If you smell what The HIRO is cooking!!!

貴方は「コミュニティ」で「越境」できていますか?

このエントリーは、『DevLOVE Advent Calendar 2014 「越境」』の、67日目の記事になります。
※詳しくはコチラ → http://devlove.doorkeeper.jp/events/14580

きくち ゆりさんの後を受け、DevLOVE Advent Calendar 2度目のエントリーです。なので自己紹介は省略します。詳しくは前回のエントリー『日本国外で自分のアイデアをぶつけるということ』をご覧下さい。

「コミュニティ」と「越境」に昨今感じる「違和感」

今年度も敢えて2度目のエントリーをしたのは、「コミュニティ」と「越境」という2つの言葉の関係に、個人的にある種の「違和感」・「ズレ」を強く感じるようになったためです。

その「違和感」・「ズレ」は、あくまで個人的なものに留まるものなのかも知れません。しかし、一度それを自分の言葉で自分なりに整理して見える化してみたいと思い、今回再エントリーさせていただきました。

なぜ「コミュニティ」に参加するのだろう?

既に多くの方が説明されている気もしますが、まず、イチ会社員が DevLOVE などの「コミュニティ」に参加することの意義について簡単に整理してみます。

  • 自力/社内業務だけでは習得できない知識・スキルを習得すること/きっかけを得ること
  • 社内だけだと狭くなりがちな視野を広げること
  • 自身の調査・研究成果/意見を広く社外にぶつけること
  • 自分を焦らせること(危機感・刺激を得て、自身の停滞感を打ち破るきっかけとすること)


私は基本的に、チームメンバーには「コミュニティ」への参加を推奨しています。
それは、特に社内に籠ってばかりいて視野が狭くなりがちなメンバーに自社以外の世界観を体感させることで、「脳みそのブレーキを壊す」倉貫 義人さん)経験を多く積ませたいからです。そう言う意味では私自身も、自分の思考が止まっていないかの確認に活用させていただいています。
また、自身の知見をぶつける場としても絶好の場所です。社外の人が相手だからこそ言えることもありますし。

私は以上の点に、会社の境界を乗り越えて「コミュニティ」に「越境」する価値を認めています。

なぜ「コミュニティ」の運営に携わるのだろう?

次に、ちょっと視点を変えて、イチ会社員が DevLOVE などの「コミュニティ」の運営に携わることの意義について簡単に整理してみます。

  • 自身がお世話になっている「コミュニティ」のお手伝いをすること
  • 自身が興味のある分野の知見を広めること
  • 自身が興味のある分野の人脈を広めること
  • 「コミュニティ」の運営ノウハウを習得すること


日頃お世話になっている「コミュニティ」から「人手が足りないのでちょっと手伝ってもらえないかな?」と言われれば、手伝うのが人情。別に悪いことではないです。
その一方で、「コミュニティ」の「運営」には、人脈を広げたり運営ノウハウを得たりといった、イチ参加者の状態では得難いものに手を広げられる可能性があります。最近は、これらを得るために積極的に「コミュニティ」の「運営」に携わりたがる人も目に付きます。

なぜ「コミュニティ」に違和感を感じるのだろう?

「コミュニティ」にある「参加」と「運営」の側面について簡単に整理してみましたが、私はそれぞれにいくつかの違和感を感じています。それを以下に書き連ねてみます。

1) 参加
  • 「楽しむため」だけに参加している人がいること
    • いつも「コミュニティ」に欠かさず参加しているのだけれども、特に意見を言う訳でもなく、後日どこかで自分のアイデアを発表するでもなく、ただ「面白かった」「刺激を受けました」ばかり言っている「常連さん」っていらっしゃいません?この人たちがいる意味って何なんでしょうね?
    • 発表者の立場に立つことが増えた昨今、この「面白かった」「刺激を受けました」しか言えない人って、発表者としても何も得るものがないんです。こういう人たちと話すこと自体、正直「時間がもったいないな」と思っています。
  • 「コミュニティ」を、会社から「逃げる」場所として利用している人がいること
    • 仕事・人間関係・関心事などが合わず、会社では満たされない自己を満たすために、「コミュニティ」活動に精を出している人も結構いますね。
    • 会社が人生の全てではないこと、また承認欲求を得ることの重要性も理解しているため、時には一時的に「コミュニティ」に逃げることもありだと思っています。しかし、あくまで一時的に。逃げずに済むための自分を創るために、「コミュニティ」を活用して成長して欲しい。逃げ続けるだけの人間にはなるなよ、と。
    • たまに「常にコミュニティに逃げられるようにしておけ」ということを真っ先に言うコンサルがいますが、まず貴方は「仕事で成果を出す方法」を先に示して下さい。
2) 運営

以下の内容は、「コミュニティ」の運営自体を本業にされている方は除きます。

  • 「コミュニティ」を、会社から「逃げる」場所として利用している人がいること
    • 基本上述の通りです。
  • 会社の仕事よりも「コミュニティ」の運営を優先する人がいること
    • 「コミュニティ」の活動・運営を優先することで、実務を疎かにしている人をみることがありますが、私的には本末転倒だと思っています。
    • あくまで「コミュニティ」での活動・運営の先には、実務を通じて価値を出す・成果を出すところまでを含むべきだと私は考えています。それが出来ないならば、その人に「コミュニティ」の活動・運営をやる資格はないです。
  • 自分が「権威」になるために、「コミュニティ」運営に携わっている人がいること
    • 特に最近、自分を業界内での有名人とするために、また自分自身の意見に権威を持たせるために、有名な「コミュニティ」を誘致したり、有名人を呼んで人脈を広げようとする動きを見かけます。
    • 「コミュニティ」は、あくまで「学習の相互補完」のための手段だと私は認識しています。その観点から、自分の名前を売ることを目的に「コミュニティ」を開催/誘致するんじゃねぇ!と強く言いたい。すごく言いたい。
    • 「権威」になりたければ、Ph.D でも取って有名な論文誌で採録してもらって下さい。自分のエゴで他人を巻き込むようなことはしないで下さい。
  • そもそも何もしない/出来ない人がいること
    • これも最近とみに気になるんですが、たまに運営の手伝いに入ると、本来の運営担当者が何も考えていない/何も調整していない/次に何をすればよいのかを考えて行動していないというケースに遭遇することが増えました。
    • 運営の手伝いをする人を、適当に集めているところありませんか?
    • これって、適当なマネジメントをやって案件を炎上させて、私らに「火消し」を求めているのと同じですよね。
    • 仕事をより良くするための活動なのに、仕事の悪い面を移植するな!

「越境」とは、成果を出すことにあり

改めて整理してみると、昨今の「コミュニティ」と「仕事」との関係に、「成果を出す」という要素が薄まっている/方向性にズレが生じていることが、私が感じている「違和感」なのかなと認識しています。

今回の DevLOVE Advent Calendar、テーマが「越境」になっていますが、私はこの言葉の意味を、「既存の枠組みを超えて成果を出すこと」と認識しています。

「越境」とは、成果を出すことにあり

これが出来ていない「コミュニティ」参加・運営を目にする機会が増え、モヤモヤした気持ちをぶつけてみた。それがこのエントリーのポイントですかね。


では、どのような「コミュニティ」参加・運営ならば「越境」だと言えるのか。自分なりの意見を以下にまとめてみます。

「コミュニティ」よりも「仕事」を優先すべき
  • まずは、「仕事」で成果を出すべき/出すことを目指すべき。
  • 社内だけでは行き詰まる場合がある。行き詰まりを感じた場合、また今の業務を改善できる知見を得られるチャンスを見つけたら、その場合に初めて「コミュニティ」に参加してみよう。
  • 「コミュニティ」を、「仕事」から逃げる場にはするな。但し、どうしようもない状況に陥ったら、一時的に逃げる場として選択することもありだぜ。
  • 「仕事」で成果も出せない奴が、「コミュニティ」にうつつを抜かすな。ましてそれを利用して権威になろうとするのは以ての外だ。
「コミュニティ」の運営は「仕事」と同じ
  • いるだけで満足するな、甘えるな。
  • 自分がリードして成果を出せ。
  • 「仕事」での過ちを持ち込むな。
    • 大量の hands-off を作って混乱させるな。
    • いちいち誰かにお伺いを立てるな、自分で決めろ。
    • 「誰かがやってくれる」と甘ったれるな。
  • 会社の「仕事」を良くする方法を習得することが、コミュニティに参加する意義だと思う。それが出来ない場ならば、そもそもなくしてしまってもいいんじゃなイカ

結論

  • コミュニティの刺激を仕事に活かし、成果をキチンと出せ。
  • 自分で出来ないことを他の人に任せて、何となくできると思うなよ。

こんなこと書くとまた「社畜が」とか言われるんでしょうが、反応がないよりはマシ。このエントリーが、上記を再考するための機会になれば幸いです。


下記書籍は、業態こそ違うものの、上記の「越境」の実例に当てはまるものです。少しでも興味のある方には一読をオススメします。

次!

次は遊さんです。正直全く存じ上げない方なので、どのような文章を書かれるのか期待しています。