退職。
一部の方にはお伝えさせていただきましたが、2015年10月15日付けで、楽天株式会社を退職することとなりました。
3年弱の在籍ではありましたが、自分自身のキャリアの中で一番手応えのある職場でした。入社直後から多くの難題にぶち当たりましたが、その都度手を差し伸べて下さった方たち・仲間たちがいたおかげで、この刺激的で激しい会社を生き延び続けることができました。
また、会社のニックネーム制で「The Hiro」(The Rockリスペクト)と名乗っていたのですが、それをもじって「ヒーロー」「スーパーヒーロー」といじっていただいたことは、良い思い出です。
関わらせていただいた皆さんに、心から感謝の気持ちを伝えさせていただきます。
なぜ退職するのか?
アジャイルコーチ・自動化アーキテクトとして、現場に入ってチームを指導し、最強のチームを創るということに専念したいと考えたためです。
- 組織が色々と変わりまして、これまでのようにアジャイルコーチ専任で仕事をすることが難しくなったという背景があります。
- 自分自身の強みをより活かそうと試行錯誤した結果、改めてアジャイルコーチ・自動化アーキテクトが自分には合っているなという認識に至りました。
- 楽天という会社自体は、今でも好きです。
次の会社では、アジャイルコーチ・自動化アーキテクト専任で働きます。
思い出
得たもの・残せたもの
- 英語でのコミュニケーション・プレゼンテーションが苦にならなくなった。(むしろ楽しい♪)
- 海外カンファレンスで発表するという、入社時の目標を達成することができた。(Agile2014)
- 自分の遺志を継いでくれる、自立的改善組織が出来上がった。
- 直井和久さんの協力と強いリーダーシップがあったことが大きいです
多くの先生・仲間
- 藤原大さんからは、現場から問題点を見つけ出す目からメンバーとの接し方、生き方に至るまで、非常に多くことを学ばせていただきました。
- 及部敬雄さんとは、最大のライバルかつ入社時からの個人的メンターとして、言い尽くせない程お世話になりました。(なお、この師弟関係は生涯続きます。)
- 楽天技術研究所の森正弥さんには、社外発表の機会の提供、仕事で行き詰まったときのアドバイス、「スーパーヒーロー」の称号、テスト駆動開発グループの設立など、どれほどお世話になったことか。
- 直井和久さんには、大組織でのリーダーシップの示し方、またエンジニアを成長させるための基盤整備などについて、多くのことを学ばせていただきました。また、Agile Japan 2015に共に登壇させていただいて、社外的にも成果を残せたことが、個人的には嬉しいです。
他にも、一人一人名前を挙げて感謝の念をお伝えしたいのですが、Word文書で100枚でも不足しそうな勢いですので、個別にお伝えさせていただきます。
今だから書けること-プロジェクトメトリクスの由来
SIerからServicerに移ってきて
前にいた会社・部署は、典型的なSIerでした。そこでは技術的な貢献や改善(例:自動化の推進で作業時間を9割削減など)が評価されることはまずなく、上司・プロジェクトマネージャの指示に従うことを強いられていた側面がどうしてもありました。
一方で楽天に移ってからは、自分自身の成果を自力で上司に示すことが求められました。特に数値で成果を見せることを。この点が最初のカルチャーショックでした。(この変化に最初は耐えきれず、入社1ヶ月で歯を1本折りました。)
プロジェクトメトリクスへの昇華
一方で、成果の見せ方を求められる裏に、私が最初に属した組織に次の問題が潜んでいることも分かりました。
- 具体的な成果目標を設定していなかった/できていなかった
- 成果を測る指標を持ち合わせていなかった
- そのため、単純な仕事量の多さで成果としようとしており、結果多くのメンバーを疲弊させていた
- 成果指標を次の施策に活かす仕組み・考え方が欠落していた
そのため私は、具体的な成果目標の設定・成果指標の開発・成果指標に基づいた改善施策というものを創り上げることにしました。これが、昨今私が多用している「プロジェクトメトリクス」の始まりです。
「プロジェクト」メトリクスという表現
当初は単に「メトリクス」と表現していたのですが、後にQAの方と多く仕事をさせていただくようになり、QAでいうところの「メトリクス」との混同・誤解が生じ易いことが分かりました。そこで、現場のプロジェクトで使うものだから、「プロジェクト」メトリクスと呼称することにしました。
一方で昨今では、「アジャイルメトリクス」という表現が海外で出ているようです。
Agile Metrics in Action: How to measure and improve team performance
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