The HIRO Says

If you smell what The HIRO is cooking!!!

アジャイルコーチの基礎を体系的に学べる公式コースを受講しました

Scrum Alliance が先日公開した、アジャイルコーチ/アジャイルコーチングの基礎を体系的に学べる公式コース Introduction to Agile Coaching の受講を終えました。

このコースを受講してみて、これまでアジャイルコーチとして活動してきた自身の知識と経験を体系的に整理し、またアジャイルコーチングそのものについての理解を深めることができ、非常に有益だなと感じました。

そこでこのエントリーでは、この有益な体験を他の方にも共有したいと思い、アジャイルコーチになりたい人、およびアジャイルコーチとしての体系的知識を習得したい人向けに、このコースの概要、学べること、および受講した所感をお伝えします。

目次


1. このコースの概要

  • Scrum Alliance が日本時間 2024 年 11 月 21 日に提供を開始した、アジャイルコーチ/アジャイルコーチングの基礎を体系的に学ぶことができる、オンライン&オンデマンドのコース(== e ラーニング)です。
  • Scrum Alliance が 2024 年末時点で提供している、アジャイルコーチに関する認定である Certified Enterprise Coach (CEC) および Certified Team Coach (CTC) が、2025 年初めに段階的に廃止される予定*1です。そのため、これらの認定に替わるものとして、Microcredential 形式(高等教育における単位的なもの)*2で提供されるコースの第一弾になります。
  • 費用は、2025 年 3 月 15 日時点で、Scrum Alliance メンバーは 84.99 ドル、非 Scrum Alliance メンバーは 99.99 ドルです。*3
  • このコースを受講すると、4 SEU を取得できます。


2. なぜこのコースを受講したか?

  • ちょうど Certified Team Coach (CTC) を取得しようと、認定プロセスを進めていたためです。上述の CTC のメーリングリストで、同認定の廃止、および代替としてこのコースを受講するよう案内するメッセージがあったため、受講に踏み切りました。
  • Scrum Alliance としてのアジャイルコーチ/アジャイルコーチングの定義・理解を知りたいという知的好奇心がありました。
  • アジャイルコーチとしてのこれまでの自身の知識・経験を、改めて整理し直したいなとも思いました。


3. このコースで学べること

ネタバレ防止の観点から、ポイントを絞って簡潔に説明します。

  • Scrum Alliance としての、アジャイルコーチ/アジャイルコーチングの定義、コアプリンシプル、効果的な振る舞い方が明示されています。
  • アジャイルコーチとして、クライアントに対して具体的にどのように接すれば良いのかを、架空の会社・チームを例に実践的に学ぶことができます。
  • メンバーやチームが衝突した際のコンフリクトマネジメント、およびその際の倫理的な振る舞いの観点を、実践例に基づいて学ぶことができます。
  • アジャイルコーチとして成長する/成長し続けるために、どこ/何を伸ばせば良いのかを考えるための、具体的な方法論とその活用方法が明示されています。
  • アジャイルコーチとして、自分の心身の健康を保ち続けることの重要性、およびその実現のための具体的な注意点と振る舞い方を、実践例に基づいて学ぶことができます。


4. 受講してみた所感

  • アジャイルコーチ/アジャイルコーチングについて、自分以外の視点から体系的に unlearn することができました。
    • これまでも、多くの書籍・論文・他者の知見などを積極的に取り入れながら、自身のアジャイルコーチ/アジャイルコーチング論を整理・体系化して活動してきました。
    • 一方で上記は、自身の知識と経験に重きをおいたものなので、どうしても自分一人だけでは気付けない振る舞い・考え方の「不足」があることも認識していました。
    • 今回受講したコースは、上記「不足点」も含めて、Scrum Alliance の視点から体系的に整理されていて、自身の「より改善できる点」を明確にみつけることができました。
  • アジャイルソフトウェア開発宣言アジャイルコーチ/アジャイルコーチング版として、何度でも戻ってきて再確認したくなる内容だと感じました。
    • 自身がアジャイルコーチングについて悩んだり、より学習を深めたいと思った時に、定期的に振り返ることができるコンテンツとして活用しています。
  • アジャイルコーチとしての失敗体験を包み込んでくれる「優しさ」を感じました。
    • 正直受講初期は、コンテンツの理想的な内容から、自身の過去の失敗を思い出して凹むことがままありました。
    • 一方でこのコースは、アジャイルコーチ/アジャイルコーチングを「lifelong journey」(== 一生涯続く学習の旅)であると表現していて、いまできないことは「不足」ではなく「自分の成長領域を伸ばす機会」だと捉えるよう何度も明記しています。加えてこのコースは、成功例だけではなく悩みを抱えるシチュエーションについても、正直な内容でカバーされています。これらの内容に、自身の折れる心を都度回復してくれる「優しさ」を感じた次第です。
  • コーチの資質としての「Balance & Well-Being」、自分の心身の健康を保ち続けることの重要性と具体的な方法が、個人的には非常にありがたかったです。
    • 私はどうしても無理を重ねがちな傾向があるため、特にEQの観点からの心構え、無理に気づく勘所、回復するための Tips を学べたことが嬉しいです。
  • 公式サイトには想定所要時間 4 時間と記載されていますが、私の場合は 40 時間ほどかかりました。
    • 時間がかかった理由として感じたのは、(1) コンテンツが全て英語であること、(2) 体系的かつ広範囲な内容であるため、全体把握に時間がかかったこと、(3) メニエール病を患っていて文章読解に時間がかかったこと、の 3 点です。
    • 上記に該当しない方であれば、より短時間で完了できるのではないかと思います。


5. 一生涯続く学習の旅

Microcredential の第二弾 Becoming an Agile Coach が、日本時間 2024 年 12 月 18 日に公開されたので、現在受講を進めています。こちらも受講完了後にまとめを書く予定です。

また上述の CTC のメーリングリストで、新たな認定として Certified Agile Coach (CAC) が後日開始されるとのことです。こちらもぜひ受講して、所感などを皆さんにお伝えできればと思っています。

*1:CTC のメーリングリストである Candidate-CTC Google Group の、日本時間 2024 年 10 月 12 日の投稿に、この旨が記載されています。

*2:(参考)https://ecampus.oregonstate.edu/news/what-is-a-microcredential/

*3:私が受講を開始した 2024 年 11 月 27 日時点では、Scrum Alliance メンバーは 127.50 ドル、非 Scrum Alliance メンバーは 150 ドルでしたので、若干お安くなっているようです。