The HIRO Says

If you smell what The HIRO is cooking!!!

読まれないレポートを2段階改善したら、口頭説明に行き着いた

レポートは、ただ事実や意見を書いただけではダメ。読んでもらうような工夫をしましょう。


「良い提案書の書き方」とかで調べると、よくこのような話に行き着きます。良く指摘される理由として、以下のものがあげられます。

  • 読者は全てを読む時間がない
  • 言いたいことがすぐに分からないと、読者は読む興味をなくす(読者は別に読まなくても良い立場なので)
  • 読者が内容を理解できなければ、読んでもらっても意味がない(伝わらないものに意味はない)


これらは、突き詰めると読者の capacity 不足に行き着くんですよね。時間や体力のない読者に何とか自分の意見を伝えようと、伝え方をあれこれ工夫する。
でもよくよく考えてみると、いくら伝え方を工夫しようと、それだけでは読者の capacity 不足を解決できないんですよね。


capacity 不足なのに、「分かりやすい」提案書を大量に送りつけられたら、結局のところ読者はパンクするだけ。読んでもらえません。それなのに、せっせと提案書やレポートを作ることに意味があるのか??


提案書を読んでもらう形でしか意見を伝える手段がないのであれば、提案書をつくることには意味があると言えます。ですが、別に提案書でなくても、具体的には口頭説明で済む相手なのであれば、提案書を作ることにはあまり意味はないですよね。むしろ読者・作者のどっちにとっても、口頭で済ませてしまった方が楽だと言えます。なので私は、直近の提案を口頭ベースに変更しました。この「口頭作戦」は今のところワークしています。


制作者は、システムの capacity の範囲内でしか価値を提供できません。またユーザも、基本自身の capacity の範囲内のものしか扱えません(ユーザの capacity を変えるアイデアなのであれば別)。自身と相手の capacity を考慮して対策を打つことが、結果としてムダを省き価値を大きく出来るんですね。


レポート地獄に悩んでいる人がいたら、ちょっと立ち止まって、以下のことをちょっと考えてみて下さい。案外「書かない」ことに答えがあるかも知れませんよ。

  • なぜそのレポートが必要なのか?
  • そのレポートを書く体力・気力は自分にあるか?
  • そのレポートは口頭で済ませられないか?


Leading Lean Software Development: Results Are not the Point (Addison-Wesley Signature Series (Beck))

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