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マニュアル人間批判と正確性との相克

最近書店で、柳井正氏の『1勝9敗』の文庫版を見つけたので、読んでみてます。

一勝九敗 (新潮文庫)

一勝九敗 (新潮文庫)

色々と学ぶところの多い本なのですが、今日読んでいて、1つ思うところがあったのでものしてみました。


この本の4章「働く人のための組織」の最初に、「マニュアル人間の限界」という節があります。
柳井氏は、マニュアル墨守の組織は硬直化するということと、自分で考えて自分で責任をもって行動することが大事という主張をしています。


基本的に、会社経営や一般生活においては柳井氏の主張は正しいと思うし、私も同様の考え方です。
ただ、「マニュアル人間」批判というテーマは、簡単にスルーしてはいけないぞ、とも思うのです。


世の中でよく言われる「マニュアル人間」って、ようは言われたことしかできない、自分の頭で考えて行動することができない、受動的でダメな人間という意味に解釈されることが多いですよね。


でも、業種によっては、「マニュアル人間」的でないと困るものもあるんです。
それは…正確性が常に要求され、マニュアル通りに行動しないと甚大な被害や他者への被害が発生しうるものです。
例えば、私はシステム開発業界にいますが、システム運用を「マニュアル人間」的でない人間にされるととんでもない。
昔、マニュアル通りにコマンドを打たずに銀行システムを停止させかけた同僚がいましたが…そういうのは論外ですね。


だから、正確性が常に要求され、誤ると被害が大きい業界、特にシステム運用では、「マニュアル人間」を積極推進すべきだと思います。


一方で、経営などのように、考えて行動することにプラスのリスクがある場合は、「マニュアル人間」ではなく、良識に基づいた判断・行動を推奨すべきですね。
ただ、組織の一員として行動する場合は、自身の判断で行動するだけではなく、組織としての責任明確化のため、(マニュアル的行動として)エスカレーションもしておくべきですね。


まぁ、世の中方法は1つだけではない、ということですね。