長いミーティングの改善例
SNSに溢れる、日々の業務への不満。
その中でも、「ミーティングが長い」「ミーティングが多すぎる」は、皆さんも頻繁に目にされている/経験されているのではないでしょうか?
今回、業務で試してみて一定の効果が見られた、ミーティング時間の短縮の事例を紹介させていただきます。皆さんの不満を減らすヒントになれば幸いです。
1. 課題
複数チーム間で、お互いの進捗状況を報告・共有するミーティングにて。
- 報告の内容・粒度が、チームごとにバラバラ
- 各チームが、自分たちがやったことを事前にまとめたwikiを延々と読み上げていた
- 結果、時間内に終えられず、報告できないチームが出てきていた
- 回を追うごとに各チームの報告内容が長くなり、報告できないチームが増えつつあった
- ただwikiの内容を「聞かされる」だけで、何の意思決定も課題解決もできていなかった
そのため、主催者・参加者の双方が大きなストレスを感じ始めていました。
2. 分析
参加者の一人としてこのストレスを減らしたいと思い、このミーティングの課題を以下のように分析しました。
- 参加者全員が知る必要のない報告・情報が多い
- ミーティングで「やるべきこと」(=ルール)が不明確である
- ミーティングの目的が不明確である
「本来は意思決定をスムーズに行いたいのに、そのために必要なものが欠けているのではないか?」
そのように仮説を設定した私は、次のような提案を行いました。
3. 対策
私が提案した内容は、以下のような「ミーティングの目的とルールの明確化」です。
- ミーティングの目的を、「チームをまたぐ意思決定を迅速に行うこと」とする
- 意思決定に必要な情報だけを報告することとする
- 各チームが実施したことは、wikiの共有だけとする(各自で読んでもらう&ミーティングの場での朗読はしない)
また、上記提案を補強するため、私自身が毎回の報告で「具体的なやり方」を示し続けるようにもしました。
4. 結果
- ミーティングが短くなった/時間内に収まるようになった
- チームをまたぐ意思決定を、ミーティング中に行えるようになった
- (例)提案採用の初回で5件
- 報告が短くなったことで、プラスアルファの情報を得られるようになった
- (例)
- Wikiに書ききれていなかった、各チームの課題(Impediments)
- ミーティングに参加していない他チーム・部署の動向
- (例)
結果として、このミーティングが「ストレスが少ない」「価値を生み出す場」になりつつあります。
また、このミーティングを参考にした結果、不要と判断されて中止になったミーティングも出てきました。
5. 今後に向けての課題・改善点
回を重ねると昔の癖が戻ってしまい、wikiを朗読し始めるような人がどうしても出てきています。
そのための対策として、いま以下のことを試しています。
- アラートとして、ミーティングの経過時間をメンバーに提示する
- ミーティングが長くなる兆候が現れたら都度、ミーティングの目的とルールを再確認する
- ミーティング用のwikiの冒頭に、目的とルールを明文化する
まとめ
我々が困っていること/疑問に思っていることには、探せば解決策が見つかるものが多いです。
色々と試してみると、解決できないと我々が「勝手に」思い込んでしまっているだけのものが、結構多いことに気づかされます。
今回の例は、「目的・手段を明確にすることで、outcomeを増やして無駄を減らした」ものですが、他にも方法はいくらでもあります。
他者のせいにすることはせずに、考え続けること。
これがポイントかなと、個人的には思っています。