The HIRO Says

If you smell what The HIRO is cooking!!!

現場とは、試行錯誤しながら価値を生み出す場。

このエントリーは、『DevLOVE Advent Calendar 2013 「現場」』の4日目の記事になります。
※詳しくはコチラ→ http://devlove.doorkeeper.jp/events/7039


改めて自己紹介

伊藤 宏幸(いとう ひろゆき
楽天株式会社 情報技術部 プロセス・品質課 テスト駆動開発グループ 所属
ニックネームは "The Hiro"
アジャイルコーチとして、CI やテストといった技術的側面、またスクラムなどのプロセス的側面から、10名前後のチームを半年ほど支援させていただいてます。また、全社的な TDD の普及活動も行ってます。
twitter : @hageyahhoo



「現場」。
ソフトウェア開発の仕事をしていて、特にプログラミングやテストなどをやることが多い身としては、この言葉をつい「開発現場」の alias だと思ってしまうことが多いです。

しかし、改めてこの「現場」という言葉を吟味してみると、非常に深い言葉だなと感じさせられます。


その人にとって価値を生み出す場が「現場」である

ソフトウェア開発における開発者にとっては、確かに「開発現場」が「現場」と言えると思います。


それでは、ソフトウェアに関わる開発者以外の人、例えばマネージャーやデザイナー、ビジネスの人たちには、「現場」はないのでしょうか?


決してそんなことはないと思います。


マネージャーは、メンバーの成長や売上の向上のために日々戦っています。また、デザイナーやビジネスの人たちも、それぞれ日々自分の持ち場で努力しているはずです。それって、立派な「現場」ですよね。


要は、日々仕事をしていて何らかの価値を生み出している場が、その人にとっての「現場」なのだと思っています。


試行錯誤し学び改善し続けるべき場が「現場」である

一方で、何らかの価値を生み出すだけでは、「現場」の要件としては不十分かなとも思っています。

日々変化の激しい昨今のIT業界、もといビジネス全般。1週間前に立てた計画ですら既にズレているという現実。これは、計画がマズいというよりも、変化の方が大きすぎるというのが実情。各自が日々の現実に常に自分自身をアジャストしていくことを求められているのが、今の時代だと言えるでしょう。

そういう今だからこそ、状況から常に学び、試行錯誤し改善を続けて行くことが必要です。この「学び」と「改善」の軸も含めて「現場」だと思っています。


「現場を見ろ」の本当の意味

アジャイルコーチをやっていると、様々な人から相談を持ちかけられます。その際によくあって困るのが、次のようなタイプの人や組織です。

  • 教科書に書いていることにそのまま従って行動しようとする
  • 現実が教科書とズレていれば、教科書の軸に現実を当てはめて解釈しようとする
  • それによって何を実現したいのかがはっきりしていない

サッカーに例えると、システムありきのサッカーチームと言えば良いですかね。
現実を見ず、他者の成功事例や知識を「熱病にうなされたように」「何も考えずに」取り入れようとし、それによる成果にまでは思い至らない。また何か問題が起きても、自力で考えて対応できず、ひどいとその成功事例や知識に責任を押し付けて現実から逃げてしまうような人、或いは組織。

それでは、何も変わらんのですよ。


ここに来て『リーン開発の現場』という書籍が出版されたりしているのは、これまでのアジャイル「ブーム」では解決しきれなかったこれらの問題、すなわち

  • そもそも仕事で価値を生み出せていない
  • 学びや改善を行っていない

といった問題に真っ正面から取り組む時期が来たのだと、私は理解しています。


俺たちの現場

私たちのチームがこの半年、日々の改善によって生み出してきた成果。我々の「現場」のストーリーを、下記のスライドにまとめています。



俺たちは、現場を通じて、もっともっとお客様に価値を提供していきます。そして、どんどん人としてもチームとしても成長していきます。これが俺たちの現場主義です。

次〜

次は、いつも私より1歩先を行かれていて、羨望と嫉妬を感じている滝川陽一さんです。
提督のガチ話が聞きたい。