The HIRO Says

If you smell what The HIRO is cooking!!!

日本国外で自分のアイデアをぶつけるということ


このエントリーは、『DevLOVE Advent Calendar 2014 「越境」』の、54日目(2014/12/31・大晦日)の記事になります。
※詳しくはコチラ → http://devlove.doorkeeper.jp/events/14580


VoQnさんのキラーパスを受け、2014年分の一番最後の記事となります〜。

改めて自己紹介

伊藤 宏幸(いとう ひろゆき

楽天株式会社 開発プロセスオプティマイゼーション部 品質保証課 テスト駆動開発グループ所属 アジャイルコーチ
ニックネームは "The Hiro"

アジャイルコーチ・Automation Architect および System Architect として、実際に開発現場に入り、CI/CD(Jenkins)・TDD・BDD(Behavior-Driven Development) をベースとした技術基盤の構築と、それらと「プロジェクトメトリクス」をベースとした開発プロセスの改善支援を行なっています。モットーは、開発効率の向上による「Be happy!」の実現。


twitter : @hageyahhoo

概要

こと今年2014年に限定すれば、私の最大の越境は、上述の通りアメリカで開催された世界最大のアジャイルのカンファレンス"Agile2014"に登壇してきたことかと思います。

人生初のまともな学術論文を英語で書いたり、Shepherding という人生初のプロセスに悩まされたり、大きなプレッシャーに腕・脚・胸を(物理的に)痛めたり…はっきり言って茨の道の連続でした。

しかしそのような苦労をしたおかげで、非常に多くのことを学ぶことができ、国内外に知己が増え、また自分を評価してくれる人も出てきてくれました。これは私の人生にとっての非常に大きな財産です。

今回は、この私が実践した、海外に出て自分のアイデアをぶつけるという「越境」について語ってみようと思います。

なぜ海外に出てみたのか?

  • 一番は、英語の会社にいて業務的に成果を出すことができたので、それがどの程度世界的に通用するものなのかを試してみたくなったことです。
    • 元々 Agile2012 に参加した時から「いつか自分が発表するぞ!」と考えていたので、ちょうど良いタイミングなのかなと思いました。
  • 英語の論文やプレゼン資料ならば、合否に関係なく社内の外国人社員のみんなにも自分のアイデアを共有しやすいから、損は全くないぞと考えました。
  • 自分が(コミュニティ活動などを通じて)表舞台に出てきて3年。そろそろ自分の存在意義・成果というものを作り上げてみたくなりました。


過去 Agile2012/Agile2013 と参加していて海外発表を肌感覚で知っていたこと、また英語の会社にいることで英語に抵抗がなかったこともプラスだったかと思います。

問おう、貴方は日本国内で満足か?

よく日本国内のエンジニアコミュニティやイベントに参加すると、次のような愚痴を聞かされることが多いです。(かく言う私も昔はそのうちの一人でしたがねw)

  • 日本のソフトウェア業界はSIの多重構造が主だから、自分の技術力を活かせる場がない。
  • 日本のおっさんエンジニアはレベルが低すぎて、話していて面白くないし新しいものを生み出せる気がしない。
  • 日本はエンジニアを大事にしないから、モチベーションを保ち辛い。


日本みたいな小さな世界でブーたれてる暇があったら、世界に出て実際に自分の力だけで戦ってみろよ!

これが、今回のエントリの主旨です。

海外で発表する方法

私も2014年に参加した、毎年夏にアメリカで開催されている Agile Conference への応募手順は、基本『Agile Conference への登壇方法』に書いた通りです

ちょうど今、Agile2015の公募が行われているので、年末年始の休みを利用して挑戦してみてはいかがでしょうか?

ちなみに今回の手順としては、Agile2015の公式サイトを開き、「Speaker Submissions」を選択すれば大体おkです。

海外で自分のアイデアをぶつけることで得られたこと

  • 確実に英語力はつきます。
    • 英語でのメールや長文、プレゼン資料を作成するのが苦ではなくなります。
    • 小粋なアメリカンジョークを飛ばして、場を盛り上げたりすることも出来るようになります。
      • 個人的には、WWEの知識は非常に役に立ちましたw
  • 海外で、自分と同様の関心事を持つ人たちと意見交換できる。
    • アメリカのエンタープライズアジャイルに疑問を持った欧州系エンジニアとの対話は、生涯の宝です。
    • 日本のエンジニアがぬるいと言っているそこのきょん君!これが君のやるべきことだw
  • 日本では得られない知見やイベントを紹介してもらえる。
    • 特に技術面でアジャイルやテスティングについて深く追究したいならば、今はアメリカではなく欧州の方が進んでいるそうです。
    • 私のような関心事を持つ人間は、Agile201x よりもXP2015の方がオススメらしい。
  • 結局のところ、日本にいることによる限界を乗り越えられる。
    • SIがどうの〜とかぶーたれていることが如何に小さいことかが、皮膚感覚で分かるようになります。
    • 想定外の海外企業からのリクルーティングとかが来まくるようになります。
      • いきなり「明日ストックホルムに来れませんか?」と言われても絶対無理だけどね!!

指摘されることを恐れるな!

海外と戦うようになってから強く感じるようになった、日本人の一番よろしくない点。カッコつけすぎたがる&恥かくことを嫌がることで、せっかくのチャンスを得損なっていることに気付いた方が良いですよ。

虎穴に入らずんば虎児を得ず。指摘されてなんぼ。指摘を失敗と思わず、自分を成長させてくれる栄養だと思った方が良いです。

このエントリーに合わせて、私の Agile2014 論文用の GitHub リポジトリを公開しました。

特に Issue を見てみて下さい。かなり手厳しい指摘をされまくっていることが分かります。しかし、それらに真摯かつあきらめずに対応しつづけることで、海外と対峙することができますし、また日本にいただけでは得られない刺激や成長が得られます。

いのちをだいじに

一方で、私の場合は無理をしすぎて、何度も吐血したり心臓にダメージを受けたりと、その後遺症を未だに引きずっています。
健康を損なうまでの無理はオススメしません。

次!

次回、2015年の一番槍は、オラクル時代から非常にお世話になっていて、最近ではクラスメソッドさんで活躍されているyokatsuki さんです。
プロのブロガー会社の片鱗を、心して待ちましょうw